雪国でも安心!中標津編:冬の住まいと暮らしガイド

中標津町は、根室管内の中央に位置し、酪農を中心とした産業と豊かな自然に囲まれた町です。根室中標津空港があり、札幌や東京へのアクセスも比較的良いことから「ほどよい田舎」として移住先に選ばれるケースが増えています。

しかし、真冬は氷点下20℃近くまで冷え込むこともあり、「実際に暮らせるの?」という不安を抱く人も少なくありません。ここでは、中標津での冬の住まいと暮らしのリアルを、最新の気象データと実際の生活情報を基にわかりやすくご紹介します。

中標津の冬の特徴

気候データ

中標津町の冬の平均気温はマイナス10℃前後。積雪は北海道内でも少ない方ですが、低気圧により暴風雪で、視界がまったく見えない猛吹雪に見舞われることもあります。

  • 平均気温:真冬は−10℃前後
  • 最低気温:厳しい日は−20℃に達することもあり
  • 積雪:札幌や旭川のような豪雪地帯ではなく、道内でも雪は少なめ
  • 天候:冬でも晴れの日が多く、雪は「ドカ雪よりも少しずつ積もる」傾向

気象上の注意点

  • 暴風雪リスク:低気圧通過時には猛吹雪で視界不良となる場合あり
  • 道路凍結:積雪は少ないものの、路面凍結は頻繁に発生
  • 寒暖差:日中と夜間の気温差が大きい

👉 移住者の声:「寒さは厳しいが、雪が少なくて意外と暮らしやすい」「除雪の頻度が札幌より少ないのが助かる」という意見が多数。

賃貸住宅の実態

  • 家賃相場:2LDK で約5〜6.5万円程度(最新調査結果に基づく)
  • 住宅設備:断熱性が高い物件が多く、二重窓・ストーブ完備が標準
  • 暖房設備:主に灯油ストーブ(FF式)や蓄熱式暖房が普及
  • 住環境:寒さに強い設備が整っているため、家の中は暖かく快適

一戸建て住宅

  • 土地の広さ:広い土地に家を建てやすく、家庭菜園や広い駐車スペースが確保可能
  • 建築基準:寒冷地仕様の高断熱住宅が標準
  • 駐車場:車庫付きやカーポート付きの物件が多数

住まい選びのチェックポイント

  1. 断熱性能:壁・窓・屋根の断熱材、二重窓の有無
  2. 暖房設備:FF式ストーブ、床暖房、蓄熱暖房の種類と性能
  3. 除雪対応:駐車場の除雪しやすさ、屋根の雪下ろし対応
  4. 風除室:玄関前の風除室があると冷気の侵入を大幅に軽減

👉 重要:移住前に「断熱性能」「暖房設備」を必ずチェックすることが、快適な冬の生活の鍵となります。

暖房関連費用

  • 灯油代:15,000〜25,000円/月(特に1〜2月は高め)
  • 電気代:8,000〜12,000円/月(暖房併用の場合)
  • プロパンガス:使用量により変動(暖房併用時は月10,000〜15,000円)

除雪関連費用

  • 除雪用具:スコップ、スノーダンプ等(初期投資5,000〜15,000円)
  • 除雪サービス:高齢者や単身者向け(月10,000〜20,000円)
  • 車の冬装備:スタッドレスタイヤ、エンジンスターター等

生活費削減のポイント

  • 断熱性の高い住宅選び:暖房費を年間5〜10万円削減可能
  • 地域の除雪体制活用:町道の除雪は行政が対応
  • 共同購入:灯油の地域共同購入で単価削減

👉 中標津は雪が少ない分、札幌などより除雪費用は抑えられる傾向があります。

車での移動

  • 必須装備:四駆+スタッドレスタイヤ、もしくはFF車(前輪駆動)+スタッドレスタイヤ
  • 便利装備:エンジンスターター(凍結防止・車内暖房)
  • 駐車場対策:カーポートや車庫があると雪かきが格段に楽

買い物・生活インフラ

  • 商業施設:大型スーパー、ドラッグストア、ホームセンターが充実
  • 生活の利便性:日常生活に必要な買い物はほぼ町内で完結
  • 宅配サービス:ネット通販、食材宅配も利用可能

医療・教育環境

  • 医療機関:町立中標津病院(総合病院)、各種診療所が整備
  • 専門医療:釧路市や札幌市への通院が必要な場合もあり
  • 教育機関:小中高校、図書館等の教育環境も充実

交通アクセス

  • 地域内交通:路線バス運行(本数は限定的)
  • 根室中標津空港:札幌(新千歳空港)、東京(羽田空港)への直行便
  • 都市部アクセス:札幌まで約1時間(飛行機)、東京まで約1.5時間

Aさん(40代夫婦)札幌→中標津町

「想像以上に雪が少なく、雪かきが楽で驚きました。札幌では毎日のように雪かきでしたが、中標津ではその年にもよりますが数える程度。家の断熱がしっかりしているので、外は−15℃でも家の中は快適です。」

Bさん(30代女性・子ども2人)東京→中標津町

「空港が近いので、札幌や東京への移動もスムーズ。都会と田舎のいいとこ取りができます。子どもたちは広い庭で雪遊びを満喫していて、東京では体験できない豊かな自然環境に感謝しています。」

Cさん(50代男性)関西→中標津町

「移住前は−20℃の寒さに不安でしたが、実際は家の中が暖かく、外出時も適切な防寒着があれば問題なし。むしろ空気が澄んでいて、冬の星空の美しさに感動の毎日です。」

支援内容

東京23区(在住者又は通勤者)から移住し、移住支援金対象求人に就業した方に、国・道・市町村が共同で移住支援金を支給

  • 単身移住:60万円
  • 世帯移住:100万円
  • 18歳未満の子ども:1人につき最大100万円を加算(自治体により30万円の場合もあり)

主な受給要件(2025年最新)

中標津町公式サイトより

  1. 東京23区要件:住民票を移す直前の10年間のうち、通算5年以上在住または通勤していた方
  2. 移住直前要件:移住直前に連続1年以上、東京23区に在住または通勤していた方
  3. 就業要件:北海道のマッチングサイトに掲載された求人への応募・就職が必要
  4. 居住要件:中標津町に5年以上居住する意思があること
  5. 世帯要件:世帯の場合は、移住・申請時において同一世帯に属すること

注意事項

  • 返還義務:支援金受給後1年以内に退職、または5年以内に転出した場合は支援金の返還が必要
  • 申請期限:就業後1ヶ月以内に予備申請、3ヶ月経過後に本申請が必要
  • 予算制限:年度途中で受付終了する可能性あり

問い合わせ先:中標津町経済振興課商工労働係(TEL:0153-74-0463)

中標津町の支援

  • 営農経費補助:上限400万円(新規就農時の設備投資や農用地取得などに活用)
  • 生活・経営安定資金:上限1,000万円(無利子貸付)

JA中標津の支援

  • 就農支援助成金:300万円(年100万円×3年間)
  • 農場リース事業:初期投資を抑えた経営開始が可能
  • 知識習得研修:ルーキーズカレッジによる座学研修
  • 空き農場紹介・経営継承マッチング支援

JAけねべつ(計根別農協)の支援

  • 新規参入時:100万円
  • 新規就農継続対策:300万円(年100万円×3年間)
  • 研修中の家賃助成:月3万円または実費の低い額
  • 研修受入酪農家への支援:月1人5万円(最大2年間)

国・道の支援制度

  • 経営開始資金:最大年150万円×最長3年間(農林水産省事業)
  • 青年等就農資金:貸出限度額3,700万円(日本政策金融公庫)

問い合わせ先:中標津町農林課農務係(TEL:0153-74-0492)

利用可能住宅(計8棟)

市街地エリア(5棟)

  • スマイルハウス:2階建て1LDK
  • イクコハウス:コンビニ・スーパー徒歩圏内
  • ブロックハウス:市街地中心部
  • ushiyado(ゲストハウス):単身利用可能な唯一の施設
  • サンタハウス:2024-2025年度休止中

開陽エリア(3棟)

  • 星の里エコハウス:自然環境豊か
  • ほしのふる里コテージA・B:田園地帯

利用料金の目安

例)スマイルハウスの場合

  • 1週間:6泊 7日 65,000円
  • 2週間:13泊14日 85,000円
  • 3週間:20泊21日 105,000円
  • 4週間:27泊28日 135,000円

※各住宅・滞在期間・季節により料金が異なります

利用条件

  • 期間:1週間〜4週間(年間1回まで)
  • 対象:北海道移住に関心のある健康な方
  • 人数:親族2名以上(ushiyadoのみ単身可)
  • 必須条件:自動車での移動手段、携帯電話での連絡手段
  • ペット同伴不可

設備・備品

  • 基本的な家具・家電完備
  • Wi-Fi利用可能
  • 布団と消耗品(日用品)は持参または現地調達

申込方法

  • 受付期間:第一次募集2月3日〜14日、以降随時受付
  • 申込先:なかしべつ観光協会
  • 提出方法:郵送・FAX・メール
  • 決定方法:重複時は選定、選定後に体験料振込み

キャンセル規定

  • 29日前まで:キャンセル料0%
  • 28日前〜前日:キャンセル料50%
  • 当日以降:キャンセル料100%

問い合わせ先:一般社団法人なかしべつ観光協会(TEL:0153-77-9733)

移住前の準備

  1. お試し移住の活用:冬季(1〜2月)の体験滞在を強く推奨
  2. 防寒装備の準備:質の良いダウンジャケット、防寒ブーツ、手袋等
  3. 車の準備:4WDまたはFFの雪道対応車、スタッドレスタイヤ

移住後の適応策

  1. 地域コミュニティ参加:除雪の相互扶助、情報交換
  2. 冬の楽しみ方習得:スキー、スケート、雪まつり参加
  3. 定期的な都市部アクセス:空港利用で気分転換

長期定住のコツ

  • 経済基盤の確立:安定した仕事、副業の検討
  • 住宅の性能向上:断熱改修、暖房設備の更新
  • 健康管理:冬季うつ対策、適度な運動

中標津町の冬は「寒さは厳しいが、雪は少なく暮らしやすい」という特徴があります。住宅の断熱性能や暖房設備が整っているため、住環境は快適です。さらに根室中標津空港が近く、都市部へのアクセスも良いため、「田舎暮らし+利便性」を両立できる移住先として注目されています。

重要なのは、移住前に実際の冬の生活を体験すること。お試し移住体験住宅を利用して、実際の寒さ、雪かきの頻度、暖房費、買い物の利便性などを肌で感じることで、移住後のギャップを最小限に抑えることができます。

UIJターン支援金や就農支援制度も充実しており、経済面でのサポートも手厚く用意されています。移住を検討される方は、まず冬季のお試し移住体験から始めることを強くお勧めします。


※本記事の情報は2025年8月時点のものです。支援制度の詳細や最新の申請条件については、各担当窓口に直接お問い合わせください。

※気象データは気象庁および中標津町公式発表に基づいています。実際の気象条件は年により変動します。

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